(詩・曲 Euca)
波ひとつない水の中へ
朱い陽が 落ちようとする
いつかの思い出 重ね合わせて
淋し気な横顔を作る
君の隣に 僕
君は 誰をみてるの
僕が決して映ることのできない
遠いどこかへと向かう その瞳で
失うのが怖いんだと呟く
そんな君を いっそ失いたいよ
風が運ぶ 知らない香り
これから先も 僕をきっと迎えてはくれない
君と 誰かの場所
変わりはじめる 水の流れ
二つが離れ 三つ目に出逢う
あの人ではない 僕を選んだ
町は 夜へ近づいていく
君の心の 闇
僕は 君の何だろう
君にとっての特別には なれない人の方が多いのに
望んでしまう
想いに沈めば どこまでも深い
欲しいのは いつだって「それ以上」
風が撫でる 潮の境界
やさしい君を 当たり前に受け入れられたら
どんなに 楽だろう
どこにも残らない言葉で 何を繋ぎとめられる?
叶わない君の願い あの人に敵わない僕
三つの想いと涙 一つに流れ込んで
この海で 溶け合えたなら・・・
失うのが怖いんだと呟く
そんな君を いっそ失いたいよ
風が運ぶ 知らない香り
これから先も 僕をきっと迎えてはくれない
君と 誰かの場所
やさしい君を 当たり前に受け入れられたら
どんなに 楽だろう・・・
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[Euca’s Comment]
特別な君は僕の前で、時折淋しそうな顔を見せ、知らない誰かとの思い出を語る。
僕と出会う前の、君の特別。
出会った後、君と僕がいっしょになってからも残るその影。
僕は、何に選ばれたの。
どうか教えて。
僕を求める、そのワケを。
あの人より何がよくて僕は価値を見出されたの。
わかるように、教えてほしい。
どんな言葉をどれだけ与えられたって、
この心は埋まらない
満たされない
いつまでも、足りない。
いっそ失うことができたなら。
海に溶け込むように、全てをゆるせたら。
深すぎる想いの淵から救い出されて、君から自由になれた僕はどんなに楽で、
どんなに
虚しいだろう。
失うのが怖い―――
誰よりも、そう思っていたのは僕だった。