南瀬

(詩・曲 Euca)

 

曲がりくねる あの長い坂
ひっそりと 山道に続く公園
自転車で必死に上った
朝日射す 丘の町

懐かしいふるさとに似た
緑と川の風景を 車で走る
もう いい大人

曲がりくねる 人生の坂
どこまでも 上る方ばかり選んだ
疲れたと気付いてしまえば
独りきり ただ 立ち止まるだけの今

夢追い人たちは 未知へ挑む
“やらない後悔より やった後悔”
どちらに待つのも 後悔なんだと
その輝く姿は 知らない

何を失ってもいいと思えた
あの頃の夢さえあれば

だけど 歌っていたいんだ
なにも なくなった自分でも
心動く瞬間を 心注いで
一つずつ のこすように

夢敗れたなんて いつ決まった?
我慢するんじゃなく 満足するんだよ
留まる理由 なくした場所でも
また 輝く姿に 戻れるから

この道は 誰にも分かりゃしない
もう一度 歩いていくよ

もう一度、歩いていくんだよ

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[Euca’s Comment]

 

ずっと追いかけてきた夢が、叶うまであと少しというところで
なくなってしまった。

唯一の生きがいを失い、希望を抱いていたころを思い出しては虚しさに浸る日々をただ過ごした。

永遠に続くかのような時間だったが、
空っぽの、行き場をなくしたはずの命が絶えず叫んでいた声に、だんだんと気がつく。

「まだ やれる」

そうだ。
終わらせるのが自由なら、
また始めることだって自由。

決めるのは、すべて自分だ。
本当に終わりたいのか。このまま虚しさを抱えて、残りの時間を費やしたいのか。

何もかも失ってもなお、心に残った思いは何だ。
それこそが、生きたい理由ではないのか。

手放すのは簡単。
だけどそれはきっと、してはいけない後悔。

叶え方は、かつて思い描いたその一つだけか。
失いたくないものがわかったのなら、いくつでも見つけられるだろう。

輝け、もう一度。